ジャパンティーフェスティバルのスピンアウト企画!
2017年の秋に東京では「シングルオリジンティー・フェスティバル 2017」が開催されましたが今年も9月29日と30日の二日間にわたってジャパン・ティー・フェスティバルと名前を変えて開催される予定です。詳細(http://teafes.net/)
当イベントの発起人であるジークレフの川崎武志さんとティーブレイクの水野学さんという吉祥寺の紅茶専門店タッグがスピンアウト企画としてスペシャルティーセミナー第一回を2018年5月10日に杉並区産業商工会館で開催されました。
チケット代は3,500円でなかなかのお値段ですが、セミナー開始前や休憩時間中にティーブレイクのダージリンを試飲できることもあって開場早々に席は埋まりセミナーが始まる頃には全席が埋まってしまう大盛況でした。比較的若い方も多く、紅茶への関心の高まりを感じました。
第一回は「変わりゆくダージリン」
この第一回のテーマは「変わりゆくダージリン」と題して、昨年のストライキ開始直後に買い付けで訪問されていたティーブレイクの水野学さんが当時の様子と現状、これからの課題などについて、スライド写真豊富にお話しされ皆さん熱心に聞き入っていました。
ダージリンの地理関係や歴史についてお話しされたあと、いよいよ水野さんがストライキ中の茶園で見た話、危険回避のためにコルカタに出た話とその中での茶葉の買い付けの話と続き、どのお話もとても興味深かったです。
このストライキは、もともとが民族問題とゴルカランドの独立にむけた闘争でしたので、ストライキといえど労働闘争ではなかったのです。それが10月のフェスティバルシーズンを前に前年度年収の19.75%のボーナスを支払うという指示をもって9月27日に解除されました。
従って、政治問題が解決していない以上、いつまたストライキが始まってもおかしくない状態だということでした。そもそも87茶園のうち今年3月時点で14茶園しかボーナスを支払えていないというのも懸念材料です。
ダージリン茶葉への影響と今後は?
今回104日続いたストライキでは、茶樹への影響も大きかったようです。もともとティーインストラクター研修でも茶樹の樹齢は100年ぎりぎりというところ、ダージリンでは大切にメンテナンスして開拓当時の茶樹をなんとか持ちこたえていると聞いていましたが、今回のストライキで古い中国種の茶樹は枯れてしまったものも多かったようです。
今後の茶樹の入れ替えや人件費などの原価高騰による工夫によって、ダージリンの味が少しづつ変わっていくかもしれません。また、茶園経営が厳しさを増す中、近隣のネパールやシッキムの紅茶のクオリティがじわりと上がってきているというのも気になるところです。
やはり、ダージリンの味を応援する日本人は、ダージリンを買って飲むということに尽きるようです。
会場ではダージリンの試飲に行列ができていました。やはり写真をみてお話を聞いてからその茶園の紅茶を飲むのは格別の味わいです。
講師を務められた水野さんの著書も販売されていました。
次回は6月12日「大注目の猿島紅茶」
次回、ジャパンティーフェスティバルスピンアウト企画は6月12日に「大注目の猿島紅茶」と題して和紅茶特集です。こちらもかなり楽しみです。
ティーフェスティバルのTwitterアカウントhttps://twitter.com/tea_festival @tea_festival で最新の情報を得ることができます。
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