ジャパンティーフェスティバルのスピンアウト企画第二弾!今回は和紅茶!!
1カ月前にはティーブレイクの水野学さんによる「ダージリンの今」をセミナーで語って頂きましたが、今回は「大注目の猿島(さしま)紅茶」と題して吉田茶園の吉田正浩さんと長野園の花水理夫さんが互いの得意分野でマイクを譲り合う形でセミナーが開催されました。
場所は前回同様の杉並区産業商工会館1F展示場で開催されました。
会費も前回と同じく3,500円でしたが、会場には、やはりたくさんの紅茶ファンが訪れていて、杉並区なのに全員茶農家ではないかというくらい高度な紅茶トークが飛び交っていました。紅茶は嗜好飲料ですが、やはり根強い愛好家が多いことを実感します。
猿島の和紅茶飲み放題!!
前回のイベントではダージリンのファーストフラッシュを含めて試飲し放題でしたが、今回ももちろん、複数の種類の猿島紅茶の試飲ができました。
会場では、カップに猿島のいずみファーストフラッシュの茶葉を入れて頂き、熱湯を注いで頂きました。
丁寧につくられてとてもきれいな茶葉です。お湯を注いで三分ほどでしっかりとした香りがでてきました。3回差し湯をしても味がでていました。
高級中国茶並みの繊細な味をだしていたのが吉田茶園いずみの1stフラッシュ。かなり貴重な作品です。
会場入り口付近でいものような甘い香りとスパイシーな香りの入り混じった和紅茶ならではの香りを放出していたのが木村製茶工場のべにつくば2ndフラッシュです。和紅茶らしい甘い味わいでよく売れていました。
長野園が大切に育てている在来種の和紅茶やおくみどりも大好評で、お土産に購入される方がたくさんいらっしゃいました。
会場ではひっきりなしに紅茶が作られていました。
セミナー開始前と休憩時間は列ができる盛況ぶり。特に、手塩をかけて栽培されている様子を聞いた後の休憩時間には、もう一度、深く味を楽しみたいと思って、何度も試飲に並んでしまいます。
猿島茶ははじめてアメリカに渡った日本のお茶
猿島紅茶のセミナーが始まりました。猿島は茨城県西部の埼玉と面する一帯であり、古くから利根川を使って江戸との交易が盛んでした。現在は茶園が29軒ありそのうち13軒が紅茶づくりに挑戦しているということです。
猿島茶のユニークなエピソードが、江戸末期に日米修好通商条約が結ばれるや否や、その翌年にはいちはやく茶の米国への輸出を手掛けたというもので、チャレンジ精神が旺盛な茶どころの特徴をあらわしています。
セミナーでは江戸から明治にかけて機械産業化していく茶園の様子を当時の貴重な写真を交えて解説頂きました。
茶というとインドやスリランカのように常夏の国を思い浮かべますが、猿島は冬にはマイナス10度にも達して雪も積もります。そういった気候環境において、茶種の選別、栽培方法などをとても丁寧にご説明頂きました。司会進行役のジークレフ川崎武志さんによる質問、補足もとても適切で知識が少ない人たちのより一層の理解に繋がっていました。
吉田茶園の茶品種いずみ。芽重型の典型として紹介されていて、一般的に茶園でみられる茶に比べて一芯二葉がかなり上の方にできています。(茎が長い)
茶園における栽培方法、茶種ごとの特徴、気を付けていることなどをお話し頂きました。特に、在来種は苗ごとに特徴が異なり、伸び方も不揃い、耐寒性も不揃い、味も不揃いですが、それゆえに人間の舌では実現できないブレンド茶ができるという考え方は印象的でした。新しいお茶の楽しみ方だと言えそうです。
休憩をはさんで製茶行程について動画を交えてお話し頂きました。特に最初の工程である萎凋について、以下に気を遣って丁寧に作業をされているかが良く伝わりました。ファーストフラッシュを収穫する4-5月はまだ夜には15度を下回ることがあります。深夜12時頃まで、2時間おきに茶葉をひっくりかえしたり、寒くなりそうであれば少しだけヒーターをつけたりと細心の注意を払っています。
また、吉田茶園では日干しを取り入れており、日干し効果でいっきに香りが高まっているようです。
猿島では、今後もさらに 耐寒性が強く注目されている べにひかり の苗を植えて日本で類をみないナンバー1のお茶を目指したり、香駿 を植えたりと新しい味にもチャレンジされています。
今回のセミナーも2時間にわたって、試飲から、よそでは聞けないとっておきのお話と、とても興味深く楽しませて頂きました。2回続いたセミナーも3回目はまだ未定だそうで、楽しみに開催を待ちたいです。
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